事件ファイル
探偵ケイシャと優雅なる休日スロープライフ


プロローグ
今日は久しぶりの休日。
探偵ケイシャは、コーヒーを片手に静かな時間を楽しんでいた。
「ようやく訪れたこの穏やかなひととき……」
と、彼は本をめくりながら、過去の事件に想いを馳せる。
思い出されるのは、あの“猫行列”の騒動――
事件は解決したが、ただひとつ、未だ残された謎があった。
“赤い猫”――
ケイシャの脳裏に、その存在がよぎる。
「どうしても気になる。あの猫の正体は……」
ふと視線をあげた先、本棚の斜め上から一冊の書物が落ちてきた。
『ブンキョウの伝説と歴史』と記されたその本の中で、ケイシャは一つの手がかりを見つける。
「これは、もう一つの真相にたどり着く“始まり”かもしれない」
謎の始まり

静まり返った会場に響く、ケイシャの足音。
優雅な読書の時間は幕を閉じ、坂道探偵は再び“事件”へと向かうことになった。
今回の舞台は、文京区の総合施設――ぶんぱく会場。
そこに設置された4つの「謎解きブース」には、奇妙な暗号や図形、そして言葉の仕掛けが待ち構えていた。
掲げられた張り紙には、こう書かれている。
推理の掟は、常識を疑うことだよ。
どこから調べたらいいだろうか?
「ケイシャのカップに紅茶が注がれるとき、真相が明かされる」
ケイシャは顔を上げる。
その瞳はすでに、次なる“スロープな事件”に向けられていた――。
探索:ぶんぱく会場の坂を巡る
会場内に設置された4つのブースには、それぞれ異なる切り口で謎が仕掛けられていた。
- ブース❶ ギャラリーシビック
左右反転した印刷文書。失われた意味を再構築せよ。 - ブース❷ アートサロン
誤って配置された記号や文字列。その奥に潜む規則性を見つけ出せ。 - ブース❸ 地下2階通路
施設名にまぎれた誤植。正しい名前へと並べ替える時、失われた「音」が浮かび上がる。 - ブース❹ 区民ひろば
並び替えによって現れる「飲み物」と「場所」――それが最後の鍵となる。
ケイシャは慎重に手がかりを集め、カクドとともに“推理のスロープ”を登っていく。
最後の謎
ブースをすべて回ったそのとき、最後の仕掛けが現れる。
それは“ケイシャのカップに紅茶が注がれる時”に開かれる最後の謎。
静かな推理の時間の果て、ケイシャの手が止まった。
「……やはり、そういうことか」
手帳を閉じると、彼はカップに口をつけ、静かにこう呟いた。
「これで、赤い猫の謎にまた一歩近づいたな……」
その先には、また新たな“傾斜”が待っているのだった――。
